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浦山慎也 Vol.33 /2015/09/16
『第三十三話 掲載後記』
はい、最終回でした。
正直言って、悔いの残る結末であったことは否めませんし、諸々の設定や伏線(のようなもの)を、ぶん投げて終わったので、真面目に読んでくださっていた方や、単行本を買ってくださってた方は「なんだよ!」となるかもしれません。
それはもう僕の至らなさ故で、申し訳ないなと思います。
以下、なぜああいう形にしたのか、少し説明したいと思います。
まず、「ページ数の少ない中で、話をきれいに完結させるのは、ほぼ無理」ということでした(これはしょうがない!)。
ということは、
何となく、「最終回ぽい雰囲気に無理やり持ち込んで終わる。」もしくは、
「全く最終回を意識せず、普段の延長として終わる。」
方法しかないと思います。
最初は後者でもいいかとも思ったのですが、最終回にわざわざするべき「普通の話」が思いつかなかったためやめ、前者の最終回ぽい話にすることにしました。
とはいえ、限られたページ数で最終回ぽい緊迫した事態に持ち込むのはかなり難しい。
本当は、一個前の話の流れで、そういう緊迫した事態に持っていくべきなんですが、そんな余裕もない。というわけで、一個前の話と完全に切れたテンションの話になってしまいました。前話から通して読むとかなり違和感があると思います。
この、病気のネタ自体は前からありました。その時は、リオンが発病し、人間の医者に診せるわけにもいかず、三雲が孤軍奮闘する話だったのですが、三雲メインの話が続いていたのと、最後なんだしリオンを活躍させようと、立場を逆にして最終回に使用しました。
あの、指輪云々のくだりや、魔力を失うといったくだりは、ある意味最終回的なもののお約束ですね。
僕がこの話でやりたかったことは、最後の3ページ(というかほぼラスト1ページ)。
指輪が抜けず、三雲が魔力を持ってしまったというオチです。最終話のサブタイトル「リオンさん、迷惑です。」も、ここにかかってくるわけで、やっぱり、タイトルにある以上、魔力を失っても最後まで迷惑をかけ続けてほしいのです。
そういう意味では(タイトルを回収したという意味では)、僕としてはまぁ、きれいに終わったかなという気はします。お約束の部分も、このオチのためと考えたら許容できるかな…。
あとは、三雲とリオンの関係に重点を置いたため、リオンと三雲に関してはぎり描けたかな。
それから、最初にきったネームでは、アオイがリオンに指輪を見せられた時の反応で、「どうしてあなたが持っているのですか、王族でもないのに…」という「リオン=王族」を示唆するセリフがあったのですが、この話をすると長くなるのと、結局本編に関係ないと判断し、本編ではカットしました。
本来なら、今までのアオイの立場からすると、そこにふれないのはおかしいのですが…。
と、以上が、最終話の総括です。
やはり、リオンの母親、父親の話ができなかったのが悔やまれます。あと三雲の両親の話も。ああ、あとディビアキスの話も。
ただまあ、どうしたって続けようのない終わり方をしたことで、ある意味すっきりした気持ちではあります。うん。あると思う。
では最後に宣伝を。九月の半ばに単行本の三巻が出ます。ウォールペイントの壁を背にしたリオンが目印です。おまけページは魔界の歩き方です。
そして、十月半ばには最終四巻が出ます。これは、おまけページがとても多いです。これを書いてる今もまだ単行本作業が終わってません。
まず、描きおろしが20ページあります(一話分以上!!)。
それ以外のおまけページも、超充実でございます。
買ってね!
そんなこんなで、バックステージも最後です。読んでくださりありがとうございました。
それでは、また、どこかで。さよ~なら~
プロフィール
浦山慎也(うらやましんや)
2008年、『ヨウサイ人間のススメ』が第62回小学館新人コミック大賞・少年部門で入選
2009年、『とうとう』でデビュー(少年サンデー超増刊4月号掲載)
2012~2013年、少年サンデーS増刊にて『WONDERLAND MUSEUM』を連載
週刊少年サンデー2015年7~42号にて『リオンさん、迷惑です。』を連載。
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